10月月例登山根子岳~西峰高岳
担当:濵口

13:25 根子岳西峰へ最後の尾根より・・・・
《山名》阿蘇/根子岳(1,433m)/高岳(1,592m
《日時》1010()12()


《参加者》 細川功 (C.L)、 濵口繁寿(担当・装備)、市橋千賀子(会計)、原田俊行下松八重清幸
      松原信行(記録)、京野好恵
(食料)
 

《行程記録》

10月10日(土) 下関出発→下関IC→R10号線→瀬の本→ヤカタガウド幕営地
1011(日) 6:00起床→7:03発ヤカタガウド幕営地→7:31水場→8:40天狗のコル
            9:48天狗峰→13:00西峰への分岐点→13:47西峰→14:15南尾根引き返し点
        →14:36西峰への分岐点→16:01ヤカタガウド幕営地
10月12日(月)日ノ尾峠→高岳東峰頂上往復→幕営地→帰下関

登山記録:松原記
10月10日(土)晴

天気:晴れ

先発隊(下松八重さんは長崎より参加。ヤカタガウドで合流)はK2に集合し予定通りに午後1時に濵口さんの車で出発する。
小倉東インターまで九州高速道路を走り、国道10号線、椎田道路を走り、耶馬溪、九酔渓を経て久住に至る。
やまなみハイウエイを通り、宮地に至る。

宮地にてビールや水を調達して、ヤカタガウドの幕営地に午後5時30分に到着する。
下松八重さんとはここで合流し、直ちに幕営する。

夕食は食料係の京野さん用意の食材で京野さんと市橋さんが手際良く野菜サラダチーズ入りや

焼き鶏ステーキや寄せ鍋を作る。

京野さんの味付けは初めて食料担当とは思えない位、完璧であり、プロの料理人

市橋さんも舌を巻く程であった。
また、下松八重さん差し入れの馬刺しも絶品で、芋焼酎もすすみ男性陣はかなり酔いが廻った。
長い夕食で話が弾んでいる最中、

午後9時30分頃後発隊の細川さんと原田さんが到着する。
30分位歓談して10時頃に消灯する。テントの外は満天の星空であった。

10月11日(日)天気:曇りのち晴れ
    時起床。朝食の後、時にテン場を出発し砂防堤の左から谷へ入り、ゴルジュ帯を進む。
    めがね岩の横を通過。めがね岩は上の部分が崩れていて、めがねの形状をとどめていなかった。 
    8時40分に天狗のコル到着。ヘルメットとハーネスを装着、天狗峰へと登攀開始する。
    最初のピッチは天狗峰直下を右へトラバースし、その先で凹角を直上する。
    トラバース点の足下はヤカタガウドへ100m 以上垂直に切れ落ち、圧倒的な高度感である。
    9時48分に天狗峰のピークに立つ。
    少し曇ってはいるがローソク峰やその向こうに西峰、更には阿蘇の高岳、
    反対側に目を向けると、東峰が良く展望出来る。
    痩せ尾根を進み、25mの懸垂下降地点に向かう。下を見ると結構高度感がある。
    慎重に下降し10M のナイフリッジを通過する。5mの岩壁を登りⅢ峰に到着。
    その後登攀、懸垂下降を繰り返してⅣ峰、Ⅴ峰、Ⅵ峰に至る。
    Ⅵ峰から最期に急な北側に急角度で落ちているガラ場に入る。
    その先で登り返すと西峰の壁が見え右に進むと西峰直下の分岐点である。
    13時に西峰への分岐点に至る。
    ここで間違いが起こる。いつもは此所から右手にルートを取るのだが、 
    分岐点の直ぐ左手より少しくだった地点に左「西峰へ」の標識がある。
    いつもは迷わず分岐点より右に道を取り、西峰の頂上には立たずに下るのであるが、
    今回は西峰頂上を目指して左に道を取る。
    西峰直下の岸壁の下、南側をぐるりと回り西峰までは直ぐに着くと思っていたが長い長いトラバースであった。
    このトラバースはあまり人が入らないのか踏み跡が薄く笹だらけで困難な道であった。
    このトラバースを終えてやっと登りとなる。
    この先西峰へのルートは急坂だが、途中ポツポツ紅葉があり、天狗峰やローソク峰が間近に見えて絶好の撮影ポイントがあった。
    1347分に西峰到着する。小休憩の後、西峰への分岐点へ戻ったが、
    途中2回ルートを間違え時間をロスする。下る道は直ぐに分かると思っていたが、道が見つからない。
    同じ道を引き返す。トラバース終了点から別の道が付いている。
    此所から南に下るが、途中で間違いに気づき、最初の西峰直下の「西峰へ」の標識があった分岐点まで引き返す。
    14時36分に西峰への分岐点に戻る。分岐点からいつもの北西に延びる尾根道に入る。
    何時もの見慣れた灌木の中を下り、ヤカタガウド幕営地からのびる林道の途中に至り、
    直ぐその下は昨晩泊まった幕営地である。16時に予定より1時間遅れで幕営地に戻る。
    細川さん、原田さんは下関へ、下松八重さんは長崎へ戻られて行った。
    残りの4名は今日の充実した一日を肴にビールで乾杯し、京野さんの献立の料理に舌鼓を打ち根子岳の思い出を胸に刻んだ。
10月12日(月)天気:快晴
    午前5時に起床し、朝食を摂った後、
   各自雨具・ヘッドランプ・ウィンドブレー
カー・行動食・水等の最小限の装備をザックに詰め
   6時に幕営地   を出発する。
テントはフライシートが夜露で濡れていたため、撤収せずに張ったままにしておいた。
  この日は濵口さん、市橋さん、京野さん、松原の4名での
登山となった。
  日ノ尾峠の
阿蘇高岳東峰の登山口に濵口さんの車で移動する。
  
6時15分に登山口を出発する。暫くは平坦な登山道を歩く。
  
登山者あまり多くなさそうであるが、登山道はよく整備されている。20分位歩くと次第に勾配が付いてくる。
  6時45分頃根子岳の方より日の出を
拝む。登山道は火山灰が主体であるためにすべり易い。
  しかし思った程の急坂は
なく道も広く比較的登り易い。
  登山道はススキが群生しており、
所々竜胆も可憐な紫の花を咲かせている。
  途中2回ほど小休憩を入れて頂上直下の
岩稜帯を抜けると阿蘇高岳東峰に立つ。
  午前8時22分であった。
天狗の舞台からは鷲ヶ峰やそのピークに建つ慰霊碑が良く見える。
  
虎ヶ峰~鷲ヶ峰~高岳東峰のルートは岩の脆さを考慮すると、北アルプスのバリエーションルートより厳しいと思われる。
  仙酔峡の通称バカ尾根もはっきり
見えて阿蘇高岳東峰からの眺めは素晴らしいものであった。
  
水分補給やカロリー補給をした後、8時40分下山を開始する。危険な箇所はないが、滑らないように注意して下山する。
  
9時45分登山口に到着する。ヤカタガウドの幕営地に戻り、テントを撤収して10時30分に帰関の途に着く。
  お昼は濵口さんお薦めの南小国にある八菜家(やさいや)で「だご汁」を
頂く。
  野菜がタップリでだごも美味く、ユズ胡椒を加えて食べると本当に
幸せな気持ちになります。
  サービスで出されたお漬物も美味でした。
  
帰路は往路と同じ道を辿り、午後4時にK2に戻る。
  
各自の個人装備を振り分けた後、今回の月例山行の成功と各自の無事を確認して散会した。

先発隊記録:京野
1010()
13
時、「陶ケ岳で一回だけしか練習していない私に果たして根子岳を制覇することはできるのか」
という不安を抱きつつ
K2に集合。
下関
ICから東小倉ICまで高速道路を使用。R10で中津に向かい、耶馬溪をとおり阿蘇に向かう。
途中、大観峰あたりで、先に到着された方から連絡が入る。根子岳で滑落事故があったとのこと。
これによって私の緊張は一気に高まり、モチベーションは奈落の果てまで下がっていくのである。
そんなことはものともせず、馬刺しの話をする先輩方々を頼もしく思いつつも、理解に苦しんだ。
三連休の初日ということもあり、車が多く一時間以上遅れてヤカタガウドの駐車場に到着。
先発隊
5名で夕食をとる。後発の2名が2130分に到着。つかの間の歓談をした後、就寝。
「やっぱり明日は見学実習にしよう」と思いつつ入眠。
1011()
6
時起床。緊張して眠れないのではと心配したが、なぜか熟睡。
頭はすっきりしているものの気分は重い。
予定より一時間早く
7時に出発。
慌しく荷物をまとめての出発だったので、「今回はやめておきます」と言う間はなく、
とぼとぼとみんなの後に続き林道を進む。
前方にはガスのかかった天狗峰が見え、ため息が漏れる。
砂防堤の左から谷へ入り、ゴルジュ帯を進む。薄暗く、大きな岩がゴロゴロしており歩きにくい。
この先の困難さが予想され、ますます気が滅入ってくる。
「この辺で戻ろうかな」と思いつつ、めがね岩の横を通過。
めがね岩は上の部分が崩れていて、めがねの形状をとどめていなかった。
森林帯の急な尾根を進み、約一時間半で天狗のコルに到着。
そこにはデーンと
6Mの岸壁が待ち受けていた。それを目に涙を浮かべながら眺めつつ、ヘルメットとハーネスを装着。
天狗のコルから天狗峰に登るには、岸壁を登攀するのとトラバースする
2本のルートがあるが、今回はトラバースした。
トップの方がスイスイ登るのを見て自分もいけるかなと思い、「いきます
!」と大きな声で気合を入れ岩に飛びついた。
やはり、困難で、手足の運び方の指導を受けながら登った。
登り終えた時は息も絶え絶えで、天狗峰から見える西峰の絶壁を見ても怖いと感じる気力もなかった。
肩幅よりせまいんじゃないかと思うような痩せ尾根を進み、次の難所
25M:懸垂下降地点に向かう。
そこでは上から確保してもらい下降開始する。
この
25Mの長く感じたこと。平地に足がついたときは感無量で涙がこぼれたほどである。
まだまだ、困難は続くのである。次に待ち受けていたのは、とても人間が登るところとは思えない
10Mのナイフリッジ。
最初はこれは登らず迂回するということだったので゛「よかった」と胸をなでおろしたのだが、
やっぱり登るということとなり絶望感に打ちのめされたのである。
男性からプロポーズされて喜んだのち、やはりその話はなしということになったとしても、
これほどの絶望感は感じないことだろう。
しかし、登ってみると掴むところが結構あり見た目ほど難しくはなかった。
山というのは登れば降らなければならない。その後の
4Mのクライムダウン。これも恐怖であった。
岩は登るのも怖いが、降るのはもっと怖いのである。次の難所は今回最大の恐怖を感じた「蟻の門渡り」である。
なんと登山道が
50cmも切れているのである。こんな理不尽なことがあってもよいのだろうかと怒りを感じたほどである。
高所恐怖症の私は「絶対に下を見ない」ということを堅く誓い今回の山行に臨んだのである。
しかし、ここでは下を見ないわけにはいかないのである。
下を見ると深く落ち込んでおり、あまりのことに吐き気すら覚えたのである。
しかし、みんなたやすくジャンプして渡っていた。どうしても飛ぶことができず、後ろ向きでどうにかそこを渡った。
もう、この頃になると思考停止状態で、その後
3M5Mの岸壁があったのであるが、どのようにして登ったかを覚えていない。
峰に到着、もう終わりかなと思えば、まだまだ西峰までピークが続いているのである。
「一体どれだけ根子岳にはピークがあるのか」と根子岳に対して激しい憤りを感じてしまったのである。
山に対して怒っても仕方がないのだけれど。
2回目の懸垂下降、ここでも確保してもらって無事下降。
峰はトラバース気味に右折するのであるが、かなり登山道が崩れていて木にしがみつきながらという感じであった。
その後、
3Mのナイフリッジ。ここも結構崩れており、ここて゜も確保していただき、恐る恐る腰を落としながら通過した。
いよいよ最後の
5Mの岸壁。ここは岩と土が混じっており、登ると土が落ちてきて「勘弁してください」という感じであった。
木があるのだが掴むと引っこ抜けそうで怖かった。ようやく、
峰に到着、西峰に向かう。
西峰の正規ルートは崩れていて迂回路を通ったのだが、笹だらけで困難な道であった。
これでもか、これでもかと困難が続き、最後はため息もでなかった。
西峰到着、西峰からみる天狗峰は恐ろしく先鋭で、自分が今登ってきたとは到底思えなかった。
本来ならば感涙にむせるところだが疲れきっていて、ただ呆然と眺めるだけであった。
下山は少し道がわかりにくくて手間取ってしまったが、西尾根分岐点を経て無事下山。分岐点以降の道は急勾配であった。
山途中、林道が見えたとたんほっとして滑ってしりもちをついてしまった。
尻餅をついたところ岩があり、尾てい骨を打ち、痛さのあまり息がとまるかと思ったほどである。
登山は終わるまで気を抜いてはいけないということをお尻をもって学んだのである。
予定より
2時間ほど遅れての下山であった。
到着後
3人の方はそのまま、下関長崎へと帰っていかれ、残り4人は夕食をとり、22時に就寝。
暖かい夜で、ゆっくり安眠できた。

         
8:09ヤカタガウドより尾根に向かう            8:37 天狗のコル分岐・・ここでハーネス装着
         
9:38天狗の頂上にて記念撮影
        
11:35ヤセ尾根の岩場を行く                         11:44展望のよい所で天狗峰(根子岳頂上)の岩場の25m懸垂下降を振り返る
 12:46よく頑張りました!最後の登り泥つき岩場
1012()
5
時に起床。今日は一段と健やかな目覚めである。
朝食をとった後、日の尾峠から高岳の天狗の舞台に向かう。
少々登山道は急であったが、阿蘇の雄大な風景を眺めながらの登山は爽快であった。
痩せ尾根と違って道が広いっていいなとつくづく思う。往復
3時間の行程であったが、十 分堪能できた。
10時少し前に下山し、テントを片付けてヤカタカ゜ウドの駐車場を出て下関に向かう。
帰る途中、車の中から見る根子岳は秋の日差しを浴びて輝いて見えた。
遠くなっていく根子岳のギザギザの山の峰がいとおしく、阿蘇五岳の中で一番かっこいいのではないだろうかと
なぜか根子岳に愛着を覚えている自分に気づいた。(記:京野)
後発隊記録:細川

1011 ここ数年秋のクライミングは宮崎の「比叡山」へ出かけていたが、今年は久しぶりに阿蘇根子岳を計画した。
久しぶりである。出発の二日前に天気雨であったが、幸いに連休は良い天気になる。
秋のさわやかな気候になり、楽しいクライミングが出来そうだ。

 先発隊は午前中に出かけている。私と原田さんは午後、6時に下関を出発、
新下関在来線口で原田さんと落ち合い原田さんの車で出発する。
高速道路から
10号線を経由して、山並みハイウエーから瀬の本、阿蘇根子岳北側のヤカタガウド登山口に午後9時過ぎに着く。
既に、先発の下関隊と長崎隊がテントを張り、我々を迎えてくれた。
全員
7名が揃った。1時間ほど雑談し、明日の打ち合わせを済ませ、寝袋に入る。

6時起床、7時出発、テントサイトから砂防堤の横を真っ直ぐ天狗峰目指し、登る。
紅葉はまだ少し早いようである。山頂付近ではチラホラ紅葉しているようである。
沢伝いに登行すると沢は狭くなり関門を過ぎた辺りで水の流れが現れる。ここで水筒に水を汲む。
急なガラ場から尾根に取り付き、天狗のコルに着く。
ここから約
5m上がった地点から天狗峰へ、アンザイレンし登行する。
最初のピッチは天狗峰直下を右へトラバースし、その先で凹角を直上する。
トラバース点の足下はヤカタガウドへ
100m以上垂直に切れ落ち、圧倒的な高度感である。
直ぐに比較的簡単な痩せ尾根となり、続いて進むと天狗峰の頂上である。
取り付き点では少し肌寒さを感じ、防寒着を重ね着したが、やがて日が昇り、朝日を受けると、心地よい暖かさが戻ってきた。
天狗峰の西側の端、痩せ尾根が終了し、切れ落ちた地点の少し手前に下降点がある。
5mクライムダウンし、下った地点に懸垂下降用の捨て縄がある。
25mの懸垂下降となる。50mロープの折り返しでぎりぎり届く長さである。
更にローソク岩、蟻の戸渡り、を越えⅢ峰、Ⅳ峰、Ⅴ峰、Ⅵ峰から最期に急な北側に急角度で落ちているガラ場に入る。
その先で登り返すと西峰の壁が見え右に進むと西峰直下の分岐点である。
ここで間違いが起こる。
いつもは此所から右手にルートを取るのだが、分岐点の直ぐ左手より少しくだった地点に左「西峰へ」の標識がある。
いつもは迷わず分岐点より右に道を取り、西峰の頂上には立たずに下るのであるが、今回は西峰頂上周りで左に道を取る。
西峰直下の岸壁の下、南側をぐるりと回り西峰までは直ぐに着くと思っていたが長いトラバースとなり、
長いトラバースを終えてやっと登りとなる。頂上に着きここから北側へ下る道は直ぐに分かると思っていたが、道が見つからない。同じ道を引き返す。トラバース終了点から別の道が付いている。
此所から南に下るが、途中で間違いに気づき、最初の西峰直下の「西峰へ」の標識があった分岐点まで引き返す。
分岐点からいつもの北西に延びる尾根道に入る。
何時もの見慣れた灌木の中を下り、ヤカタガウド幕営地からのびる林道の途中に至り、直ぐその下は昨晩泊まった幕営地である。

 12:46天狗峰~西峰への岩稜
今回、新人一名参加、彼女はクライミングは初めてで、山行前に陶ヶ岳でトレーニングを行い参加した。
山行前は恐る恐る「私にはこのルートは行けない」と尻込みしていたがこの難ルートをこなすことが出来た。
初めての一歩を出すことで少しずつ進歩がある。難しくても適切な訓練を行い果敢にチャレンジすること。
この経験により、更に困難な山行きが出来るようになる。
コース中に一ヵ所でも越えられない地点があると、そのコースへは入れないことになる。これを克服できる山家になってほしいと願います。(記:細川)