比婆山縦走

 名:吾妻山~比婆山(広島県)
 
8:18             センプリ草 8:24
目  的: 個人登行(マツムシソウ鑑賞登山)
 
11:25    マツムシソウ   8:18

 時:平成22年9月11日~12日
参加者:水廣(CL)植村(装備)播磨 京野(記録)

コース:国民休暇村→吾妻山登山口→吾妻山山頂→大膳原野営場→烏帽子山山頂→出雲峠
    →比婆山→烏帽子山→大膳原野営場→南の原→国民休暇村

【報告書】

9月11日(土)晴~曇り
    夏合宿以降猛暑の為山に登る気にはならず、私は毎日ダラダラとした生活を送っていた。
    何事に対しても無気力であったのだか、ただビールに対する意欲は例年以上で、連日連夜積極的に飲み続けた。
    その結果、夏バテで痩せるどころか太ってしまったのである。
    体重増加に運動不足という最悪のコンディション、こんな状態で山に登れるかなと懸念しながら集合場所に向かう。
    今回のメンバーは女性4人。
    全員、黒っぽいシャツに作業着のようなズボン、最近はやりの『山ガール』とは程遠い格好である。
    山ガールを激しく意識するものの、いつまで経っても山ガールになれない4人なのである。
19:00 小月を出発し、下関ICから中国自動車道に入り庄原へ向かう。
車中では思い出話に花が咲く。
不思議とスムーズに行った山行より、苦労した山行の方が話は盛り上がる。
ふと、私は常々疑問に思っていた登山とワンダーフォーゲルの違いについて聞いてみた。
するとM女子は「登山ほど難しいことをしないのがワンダーフォーゲルよ」と
単純明快な説明をしてくれた。(全国のワンダーフォーゲル部の皆さん、勝手な解釈をしてすみません)
その説明に私たちは深く感銘を受け、自分たちの進む道はそれしかないと思ったのである。
そして、幹事会の了承も得ずにその場で『下関山岳会ワンダーフォーゲル部』を創設したのである。
そして目的は「無理をせずに自然の中で癒される」とした。今回はその記念すべき第1回山行である。
庄原に到着、国道432号を北上する。その頃から暗い夜空を引き裂くように光が差すのである。
稲光である。夏合宿のような困難な山行になるんじゃないかなと不安が募る。
稲光を見ながら誰が雨女かという話になり、不本意ながらに私ということになってしまったのである。
今後山行に誘われることなく孤独な人生を歩むかもしれないと明日の天気以上に不安になった。
23:30 国民休暇村のキャンプ場に到着。
駐車場にテントを張る。風がないからいいものの、月例登山では絶対に許されない適当な張り方であった。しかし、ちゃんとビールだけは飲んで就寝。
9月12日(日)曇り
5:30 起床。まずまずの天気である。急いでテントを撤収し、朝食を摂り、吾妻山ロッジに移動する。
7:15 ロッジ左の登山口から山に入る。
ロッジを過ぎるとなだらかな丘陵が広がっている。
吾妻山は山野草の宝庫としても知られているそうで、一歩踏み出すと私以外の三人が
「あっ!まつむしそうがある!」「うめばちそう!」「なでしこ!」と
異様に興奮した声を上げているのである。
私はまつむしそうであろうが、すずむしそうであろうが花には興味はない。
日本人は桜と菊さえ知っていれば十分と思っている。
皆と温度差を感じながら一人黙々と、霧の中を進んでいく。
霧が緩やかに流れていく草原はまさに癒しの空間で、まるで蓼科か軽井沢の高原にいるようである。
とは言っても私はどちらにも行ったことはないのだが。
月例登山は出発してからの1~2時間、肩に食い込む重い荷物に体が順応するまでの間が勝負なのだが、
今回は楽勝であった。荷が軽ければ身も軽い、身も軽ければ心も軽い、水を得た魚のように
山道を登って行くのである。ちょっと表現が変であるが。
15分ほど草原を登って行くと丸太階段が始まる。そのまま登ること40分、
 
9:00 山頂
8:05 吾妻山(1239m)山頂に到着。
山頂に着いた時には霧は晴れ、目前には美しい中国山地の山並みが広がっていた。
すぐに東側の登山道を進み、大膳原を目指す。大膳原まではかなりの急斜面である。
8:25 ススキが風に揺れている大草原に到着。
町では連日の猛暑で秋の気配は感じられないが、ここにはすでに秋が訪れていた。
秋を感じながら草原を進み、烏帽子山へ向かう。
「左横田
/右烏帽子山」の標識があるところから登りとなるが、勾配はきつくない。
山頂手前に比婆山への分岐点があるが左手の道を進む。
大膳原から45分
9:10 烏帽子山(1225m)山頂到着。
山頂はかなり広い芝広場で視界も良好。
360度の展望をしばらく楽しんだあと出雲峠に向かって出発。
40分ほど下って行く。
冷たい風が心地よい。
途中とても素敵な山ガールと出会う。
年の頃は50代半ば、黒いシャツにスパッツ、腰巻とも思えるほどの短いピンクのスカート、
蛍光色のザックにイヤリングという出で立ちである。
夏合宿の中央アルプスでは派手な服装の登山者を沢山みたが、
中国山地でここまで艶やかな人と出会うことはない。
改めて私たちも時代の流れに乗り遅れないようにしなければならないと思ったのである。
 
9:16    冷た い風が心地よい
10:00 出雲峠に到着。
出雲峠から10分ほど下った所にまつむしそうが群生している広場があった。
まつむしそうの群生を見るためにM女史は今日のコースを選んだのである。
私以外の三人は喚声を上げながら写真を撮っていた。その姿を眺めながら、私は行動食を食べた。
歩いた後のあんぱんはとても美味しいのである。
いくら花を見てもお腹はいっぱいにはならないのである。
10:30 出雲峠を出発し、今来た道を戻り再び烏帽子山山頂を目指す。
急な登りではあったが常に心地よい風が吹いており、汗ばむことはなかった。
11:20 烏帽子山到着。
朝登った時は霞んで見えなかった大山がくっきりと見えた。
中国山地の最高峰の大山は、群を抜いて雄大であった。
11:20烏帽子山を出発し比婆山に向かう。
比婆山の山頂には伊邪那美命の御陵がある。
11:50 御陵の前に到着。
小さな祠があった。
伊邪那美命と言えば旦那さんと一緒に日本の国土を造った方で、いわば『日本の母』なのに、
その割にはお墓が小さかった。
この辺りはブナの純林で天然記念物にもなっている。
しかし、それは後から知ったことで、とってもきれいな樹林帯であったと思うが、
私は木は松しか知らないのである。
12:10 御陵を出発し下山開始。
烏帽子山の南側を迂回し大膳原、南の原を経由し、吾妻山ロッジの駐車場へ向かう。
14:10 駐車場に到着した。
かくして無事に下関山岳会ワンダーフォーゲル部第一回山行は終了したのである。
下山後、下関に向かう車の中では、
岩場や痩せ尾根がなかった為、恐怖を感じることがなかった今回の山行に
「これが自分のしたかったことだ」と非常に満足していた。

しかし、この記録を書きながら思うのである。
この山行も7時間近くほとんど休むことなく歩き続け、決して楽な行程ではない。
3年前までは地元のたった600mの山がきつくて登れなかった私が、その行程を難なくこなせたのであるそれは山岳会の先輩方々が、歩き方から指導してくださったおかげである。
きっとまた私はその先輩方々の後を追い、滝のような汗を流しながら重い荷物を背負い、
恐怖に涙ぐみながら岩にしがみつき、ため息をつきながら雪道をラッセルするだろう。

自分は山ガールではなく、猿のように岩軽々と登り、狼のように山道を疾走する山ん婆になりたいのであるただ、実力も技術もないのに外見だけが山ん婆というのは絶対に避けようと思う。