平成23年10月個人登山

H2310月個人登行

「第1回下関山岳会山ガール遠征ツアー」

  期 間 H23108()1010日(月)

  山 域 立山三山(富山県長野県

  参加者 水廣(CL 装備)京野(食料・記録)

  目 的

①日々のストレスで病んだ心を紅葉で癒す。

②少々董が立っているが「山ガール」として北アルプスでデビューをする。

③死ぬまでに1回黒部アルペンルートを通る。

行動予定

10/8

 6:39新下関駅こだま発→6:59新山口のぞみ発→8:59新大阪サンダーバード発→12:59富山着

 →13:10電鉄富山駅発→14:23立山駅 (黒部アルペンルート)竪山駅立山ケーブルカー→美女平

 立山高原バス→15:30室堂ターミナル着→16:30雷鳥平野営場着

10/9

 6:25雷鳥平野営場→7:20立山室堂山荘→7:50浄土山登山口→8:40浄土山山頂→9:40雄山山頂

 →12:00大汝山山頂→12:25富士の折立山頂→13:40真砂岳→14:50別山山頂→別山乗越→

 16:30雷鳥平野営場

10/10

6:00雷鳥平野営場→7:45室堂ターミナル→立山トンネルトロリーバス→大観望立山ロープウェイ→黒部平→

黒部平黒部ケーブルカー→黒部ダム関電トロリーバス→9:55扇沢路線バス発→11:40大町温泉郷→13:14

信濃大町→14:53松本発しなの16号→17:25名古屋発のぞみ183号→20:12新山口こだま発

20:47新下関着

第1日目(10/8)晴

とうとうその日が来たのである。その日とは、もちろん北アルプスデビューの日のことである。登山を始めて4年目、遅すぎるデビューかもしれない。その分、どれだけ北アルプスを思い焦がれたことであろう。なぜ北アルプスなのか。理由は簡単で、登山を始めた頃地理に疎い私は、中央、南アルプスがあるのを知らなかったからである。単に無知から出た憧憬なのである。朝6時、新下関駅に向かう。駅でM嬢と落ち合う。彼女は目も覚めるようなピンクのジャケットを着ていた。彼女は山行ごとに山ガールとして進化しているようである。

6:39こだま4号で新下関を出発。新山口でのぞみに乗り換え新大阪へ。そこからはサンダーバードで富山へ。富山からは電鉄富山で立山に。ここからいよいよ立山黒部アルペンルートに突入だぁ!立山黒部在アルペンルートとは、1971年に開通した山岳観光ルートである。長野県側の扇沢を経て富山側の立山まで総延長は77kmに及ぶ。まず、ケーブルカーで美女平に向かう。美しい人も、そうでもない人もこの美女平を通って室堂に向かう。そうでもない人は心苦しいだろうが、私たち下関山岳会を代表する美女二人はここで堂々と立山高原バスに乗り換えた。バスで室堂まで約1時間、標高差は1500m、高度を上げるにつけ徐々に秋が進んでいくのである。美女平周辺では青々としていた木々が、弥陀ヶ原ではすっかり秋色になっていた。ナナカマドがすばらしく感動的に綺麗であった。ナナカマド自体は特に珍しい植物ではなく、どこの里山でも見ることができる。しかし、立山のナナカマドは巨木で、真紅の実が鈴なりについているのである。ただ残念なことに、どれだけ美しくてもその実は食べれないのである。

15:30室堂到着。寒い!慌ててダウンを着る。ターミナル側の玉殿湧水の側を通り、石畳の遊歩道を進み、雷鳥平野営場に向かう。野営場までは30分の距離ではあるが、結構登り下りがありしんどい。みくりが池温泉を通過したところで、素敵な出会いがあった。なんと雷鳥4羽が出迎えてくれたのである。私は焼き鳥は好きだが、鳥という生き物は大嫌いある。鳥インフルエンザ以降、本当に嫌いであった。しかし、雷鳥を見たとたん、世界で一番好きになったのである。もう、山に登らなくてもいいくらい充足感を覚えたのであった。

15:47山情報入手
16:22 雷鳥沢(室堂より)

16:30雷鳥平野営場に到着。キャンプ場に既に百近くの色とりどりのテントが張られていた。テントを張り、夕食を食べ、明日の計画を立てる。明日も天気は良好なので計画どおり立山三山を縦走することにした。(一般的に雄山、大汝山、富士の折立の3つのピークを合わせて立山と呼ぶそうです。これに浄土山、別山を合わせて「立山三山」です。今回初めて知りました。)ヤマケイアルペンガイドによるとそのコースの所要時間は6時間40.分ってことになっていた。,また、難易度は中級。「たいしたことないな」となめてかかったら、わたくし、生きながらにして浄土山で地獄を見てしまったのである。 

 19:30 早々就寝。

第2日目(10/9)
5:00起床。
テントの周り一面に霜柱がたっている。まだ、日の出前ではあるが、まずまずの天気だ。

6:18 雷鳥沢キャンプ場より

6:25雷鳥平野営場を出発。

 「キャンプ場から目指す雄山を見上げると、朝日にてらされ輝いていた,」と書くと感じがよいのだか、これだと西から日が昇ることになってしまう。実際は、まだ夜明け前の薄暗い中に、行く手を阻む巨大な砦のように立山三山が浮かびあがっていた。室堂平へ向かう。みくりが池までがかなり急登である。途中、昨日ターミナルからキャンプ場まで30分だったのに、1時間近くかかって立山室堂山荘に到着する。ここは日本で初めてできた山小屋だそうである。一回山小屋っていうのも経験してみたいなぁと思いながら通りすぎる。山荘から歩くこと10分、一ノ越と浄土山の分岐点に。右手を進み浄土山へ向かう。

8:00浄土山登山口到着

 浄土山登山口という標識を見てかなりがっかりした。今から登山口???もう既に浄土山の半分位登っていると思っていたのだ。登山口までは整備された遊歩道であったが、ここからは岩がゴロゴロしている急な上り坂だ。おまけに雪が積もっている。煩悩具足の凡夫には浄土への道は険しく、簡単には辿り着けないのだ。

8:40浄土山山頂到着。

    
8:51                  9:16
息絶え絶え急登を登りきると、開けた広場になっていた。私たちは「浄土山山頂」と書かれた標識を探した。しかし、見当たらない。本当にここが山頂なのかと不安になった。目の前に三角形の山が見えるのである。あれが浄土山か?確認しようとも二人とも地図を持って来なかったのである。その時M,嬢の口から「己ある所、そこが浄土」という名言が出た。私たちはそこを浄土山とし、一の越へと向かった。下山後確認した結果、間違いなく浄土山でした。ちなみに浄土山は南峰と北峰があり、南峰には富山大学立山研究所があり、北峰には軍人慰霊碑があります。また、三角形の山は竜王山でした。雲一つない晴天で、遠く富士山が見えた。まさに気分はお浄土って感じだった。南峰から左方向の広い緩やかな尾根を下って行く。正面には雄山堂々と聳えている。

9:40一ノ越到着。

 驚いたことにそこは、人、人、人、人。どこの都会に来たかと間違えるほどだ。猫の額ほどの場所に溢れんばかりの人、東京より人口密度か高そうだ。一ノ越には公衆トイレがある。ここで身を軽くして、いざ雄山へ。とは言っても、登山道も、人、人、人で渋滞だ。自分のペースで歩くことは難しい。私が持つ登山の概念は、都会喧騒から離れ、大自然を通し自己を見つめるというものであったが、この人だかりで自己を見つめていたら事故になってしまう。一ノ越から雄山のルートは、小学生も登ると聞いていたので、楽なのかなと思っていたが大間違い。急だし足場が悪い。小学生に難しいのではと思える段差も多い。二ノ越、三ノ越,四ノ越を越え、いよいよ五ノ越である雄山山頂へ。

    
     9:42                              10:27
17
雄山山頂小屋から雄山神社上宮10:54

11:00雄山山頂到着

 山頂広場も人、人、人で溢れている。ここには標高2991mの一等三角点があるが、雄山最高峰3003mは雄山峰本社である。ここまで来たのだからお参りして、お賽銭も奮発する。百円もしたのである。これまで五円以上お賽銭を出したことはない。いつもの20倍の額だ。少し息苦しい感じがするのは高山病ではなく、慣れないことをしたからだろう。小休止を取った後、鳥居の左側から銃走路に入る。ここからは人が一気に減少。ここは元より滑りやすい岩場である上、雪が積もっている。アイゼンをつけることにした。結構雪が積もっており、本当にアイゼンを持って来てよかったと思った。小さなアップダウンを繰り返しながら大汝山山頂直下の広場に到着。標識に沿って銃走路を右にそれ、大岩の間を縫いながら登ると大汝山山頂へ。

12:00大汝山山頂到着。

 大汝山は標高3015m、立山の最高峰である。ここからは北アルプスを一望することができる。本当に感動しすぎて言葉がでない。縦走路に戻り、大汝山避難所の横を通り、富士の折立へ向かう。尾根幅が広くアップダウンも少なく快適だ。富士の折立も縦走路を逸れたところにあり、下手すると見過ごしそうだ。縦走路を右手に入り、ペンキに沿って富士の折立山頂に向かう。

      
     11:24            大汝山頂12:07

11:47大汝山

12:35富士の折立(2999m)山頂到着。

 黒部湖がはっきり見える。空の青さが目にしみる。縦走路に戻り、いざ真砂岳へ。この辺りに来ると雪は少なくなったのでアイゼンをはずした。真砂岳への道は岩は少なく歩きやすい。右手には北アルプス、左手に室堂平を眺めながら3000mの稜線を楽しむ。

    
12:59~13:07富士の折立から真砂岳へ向かう

13:30真砂岳山頂到着。

 真砂岳から別山までは結構ハードであった。距離は長いし、アップダウンは激しいし、足場は悪いし、雪もあるし。保険に入っているからヘリコプターでも呼ぼうかなと思ったほどである。別山の登りは徐々に傾斜を増し、山頂直前の急登はまさに心臓破りの坂だった。



14:40~14:45剱岳方面~立山三山方面

14:40別山山頂到着。

急登をがんばって登ると、そこには信じられないような絶景が。剣岳がど迫力で迫ってくるのである。あの剣岳がこんなに近く見える場所まで来たんだなと思うと思わす涙がこぼれてしまった。ただ、不思議なことに剣岳を見ても全然登りたいという意欲が湧かないのである。あまりにも険しすぎるからかもしれない。剣岳を堪能した後、祠の横を通って稜線伝いに別山乗越へ。


      
別山乗越~雷鳥沢を下山16:19着

15:05別山乗越到着。

 ここからは雷鳥坂とよばれる下りをただ下るだけである。しかし、かなり急斜面で疲れも出ているので、気を緩めると滑ってしまう。下る途中でぷーんと地獄谷から大好きな硫黄の匂いがしてきて元気がでた。浄土川の木橋を渡りキャンプ場へ。

16:30雷鳥沢埜営場到着。

 キャンプ場から今登ってきた立山連峰を見上げる。登り終えた後に見上げる山は、また違った感動があった。

第3日目(10/10)

5:00起床。

テントを撤収し帰路に着く。室堂ターミナルからトロリーバス、ロープウェイ、ケーブルカーを乗り継ぎ黒部ダムに向かう。途中の黒部平は本当に紅葉が綺麗であった。まるで錦絵のようだったと月並みの表現をするのは嫌だが、綺麗過ぎて他の言葉が浮かばない。

10:05黒部ダム到着。

 世紀の大事業として延べ1千万人の人、十年の歳月をかけて造られた黒部ダム。圧巻です。大自然の中にある巨大な人工物なのに、全然違和感がないのが不思議である。ここからトロリーバスに乗り扇沢へ。扇沢から路線バスで信濃大町へ。途中下車をして大町温泉郷で温泉に入る。

13:14信濃大町発。

 信濃大町からはJR大糸線を使って松本に向かう。電車の中で時刻表を見て、この大糸線に特急あずさ号が走っている事を知った。昔「あずさ2号」という歌があったのである。失恋した女が,心の傷を癒すためか信濃に向かうという歌詞なのである。8,時ちょうどのあずさ2号で旅立つのもいいだろう。行く先々で別れた男のことを思い出すのもいいと思う。だけど、隣にもう既に新しい男がいるのはいかがなものだろうか。一緒に旅する男も、行く先々で元彼のことを思い出されたらたまったものではないだろう。と、くだらないことを考えていたら松本到着。ここで「急行しなの」に乗り換え名古屋へ。そこで「のぞみ」に乗り換え新山口へ。そこから「こだま」で下関へ。

8:37新下関到着。

 かくして「第1回下関山岳会山ガール遠征ツアー」は無事終了。反省すべき点は、心残りは多々あるものの、十分満足できる山行だった。プロの登山家の竹内岳洋氏がかつてインタビューでなぜ山にのぼるのかと聞かれて、「次に登る山を決めるためですかね」と答えていた。その気持ちがわかった山行だった。

追記

今回「立山黒部アルペンルート」の周遊券を使用しました。下関を出発して、下関に戻るまですべての交通機関の交通費が含まれていて42,080円でした。立山黒部アルペンルート片道乗車券だけでも12,000円するので、大変にお徳です。

夏山合宿を指をくわえて見送った二人で急遽計画した秋の立山山行。十年前の山行をなぞった今回の計画。山は何も変わることなく迎えてくれました。立山三山縦走に雷鳥平でキャンプ、黒部アルペンルートに下山後の温泉、おいしい地元ごはん・・・。たったの三日間に詰め込んだ思いをお天道様がすべて叶えてくれました。ありがとうございました。(М)