2011年正月合宿八ヶ岳縦走平成22年12月30日~23年1月3日

山名 八ヶ岳(長野県・山梨県)

参加者 宮元(CL・装備)森永(SL)市橋(食糧)水廣(会計・記録)
行程
1230日曇  小月IC1930分出発
12月31日晴   南諏訪湖IC~美濃戸口~美濃戸~北沢コース~赤岳鉱泉テント泊
1月1日晴/縦走稜線ではガスと風 
           赤岳鉱泉~硫黄岳~無名峰(2795m)トラバース気味に~横岳(最高峰の奥の院へ)
           ~鉾岳を巻く(三叉峠~石尊峠~)地蔵の頭(お地蔵様あり地蔵尾根の分岐)~赤岳天望荘(休憩)~
           赤岳山頂~文三郎尾根~行者小屋~赤岳鉱泉 テント泊
1月2日晴     赤岳鉱泉~美濃戸~美濃戸口~もみの湯入浴~富士見高原~道の駅~
           小淵沢IC~中央道~名神高速道~高州バイバス~中国道~山陽道
1月3日晴     小月IC 小月ホンダにて解散

 今年の正月合宿は天候に不安を抱えての出発となった。
テレビのニュースは「日本海側を中心に年末年始の天気は大荒れ」を繰り返すばかり。
山の天気も気になるが、下関から八ヶ岳まで
900キロの長距離移動を考えると道路状況も気になるところだった。
今回の参加者
4人で相談の結果、無理をせず行けるところまで行ってみようということで下関を出発した。

 2時間ずつ交代での運転。小雪がちらつく天気だが走行に問題もなく、むしろSAのパーキングは思った以上に空いていて
ゆっくり休憩できる。夜が明けるころ、中央道に入り、駒ケ岳
SAあたりからは中央アルプスがきれいに見えている。
風もなく天気は良い。期待値が低かっただけに、寝不足だがテンションは自然にあがってきた。良い予感。

12/31(金曜日)   美濃戸口(9:30)~北沢コース~赤岳鉱泉(14:00)

 登山口の美濃戸口をめざし、山梨県原村の別荘地を抜けて行く。
美濃戸口には下関から
14時間をかけて無事到着。
そこで私達の到着を待っていてくれたのは、長崎山岳会のメンバーで、前日北アルプスから撤退後、
美濃戸高原ロッジに泊まっていたとのこと。
久しぶりの再会を喜び、「一日切り上げての下山だから一緒に八ヶ岳で年越しを」と熱心に誘うが、振られてしまう。
(美女?の誘惑を断った罰か、長崎のメンバーは帰路雪女に囚われてしまう)

            
美濃戸口駐車塲                                 長崎山岳会の皆さまと残念ながらお別れして・・・・
 長崎のメンバーの見送りをうけ、樹高の高いカラマツの林の中の林道を進んでいく。さすがに空気がピリッと冷たい。
雪に刺すピッケルが「キュッキュッ」と鳴く。一時間で赤岳山荘着、休憩。暖かな日が差し体も指先まで温まってきた。
南八ヶ岳の山荘はほとんどが年末年始は営業しているようで、登山者も多い。
営業小屋のある冬山合宿は思えば私は初めての経験で、なんとなく正月の賑わいを感じて楽しい。
            

 美濃戸山荘の先でコースは分かれる。正面の樹林の中に行者小屋に向う南沢コースのトレースが雪の中についている。
私達は左側の林道を北沢コースへと進む。
テント泊装備満載の大きなザックを担いで、私達のパーティーは多分この日八ヶ岳中最遅のスピードで赤岳鉱泉に進んでいる。
何組ものパーティーに先を越される。
無雪期では主役の中高年は冬山では少ないようで、みんな若いパーティーだ。
(に見えた) 冷たい沢の流れに逆行しながら、
みんな赤岳鉱泉へ続いていった。

           
赤岳鉱泉へは14:00に到着。私達を迎えてくれたのは、小屋の前の人工氷瀑。見あげるほどのデカさに圧倒される。
今年の夏お世話になった「ガリガリ君ソーダ味」に氷の色は酷似で、その名も「アイスキャンディー」。
トップロープでアイスクライミングの練習ができるとあって、赤岳鉱泉の冬の風物詩となっているようだ。
           

 テント場の受付を済ませ、早速テント設営。テントに入りやっとゆっくりできると思いきや、問題発生!
それはテントを張り終えた瞬間
4人が「ん?」となってしまった。テントの元気がないのだ。
森永さんが「どうした
?まるでわしのようじゃ」の言葉に思わず笑ってしまうが、テントちゃんはしょんぼりしたまま。
どうしたの
?おなか空いたの?と聞いたところでそんなはずがある訳もなく、
原因は
5人用テントにポールの中身が3人用にすり替わっていたためと判明。
とりあえず、テントの中に全員納まる。
居住性はかなり落ちるが、仕方ない。
いろいろ合点のいかないところではあるが、「装備は事前に中身も確認」を今回の教訓とすることにした。

 狭いながらも、慣れてしまえば快適な我が家。年の夜のメニューは年越し蕎麦とすき焼き。今日は風もない。
夕方には青空に光る八ヶ岳の稜線を見ることができた。
風雪を心配した昨日がうそのようだ。やっぱり来てみないことには何もわからないのだ。
もうすでに元を取った気分。夜トイレにテントの外に出た。
小屋からは暖かい灯がもれ、樹間のテントは緑、黄、オレンジ色の大きなキャンドルみたいで幻想的だ。
夜空には星も見えている。「明日もよろしくお願いします」と今年最後のお願いをしておく。

1/1(土曜日)晴れ

 赤岳鉱泉(7:00)~硫黄岳(9:30)~硫黄岳山荘(10:0010:30)~横岳~赤岳展望荘(13:0013:20)~赤岳(14:10)
文三郎道~行者小屋
(15:00)~赤岳鉱泉(16:00)

 2011年元旦。テント内側は霜で真っ白!で新年を迎える。お雑煮とお屠蘇で一応お正月気分を味わう。
7:00に準備を済ませテントをでる。風もない良い天気だ。赤岳鉱泉の正面の樹林の中、硫黄岳への雪道を静かに登り始めた。
コース中しっかりしたトレースがついていて快適だった。
途中のジョウゴ沢への分岐にはロープがはってあるが、やっぱりしっかりとしたトレースが続いている。

           
           
樹林をぬけ赤岩ノ頭にでる前にアイゼンを装着。
樹林をぬけると風が体にぶつかってきた。岩をまいて頂上にでる。寒いので急いで写真を撮り、硫黄岳山荘に向う。
広い稜線上風で目が開けづらいが、大きなケルンに導かれて硫黄岳山荘へと進む。鞍部にうまく風を避けて小屋が建っていた。
引き戸をあけて中に入る。暗さに目がなれない中、「どうぞ、中に入って休んで。
アイゼンそのままで、こちらどうぞ」と小屋番さんの落ち着いた声にほっとする。トロトロと燃える薪ストーブ。
つい、
30分も休憩してしまった。のんびりしている場合じゃない。これからが本番。
市橋さんからこれからのコースの説明をうけ、展望荘までの
2時間半を覚悟し、一枚余計に着こんで出発した。
相変わらずのガスと風。
だが、体が持っていかれるほどの風ではない。相当の烈風を想像していたので安心する。
やせた稜線上、岩と雪氷のミックスで慎重に歩を進める。ミスは許されない緊張感。
岩峰のトラバースや心配していた横岳奥の院、鉾岳のあたりも、梯子、鎖が利用できたので問題なかった。
ガスでまったく景色はなく、ひたすら自分の足元に集中。ふと目の前に一人登山者が現れる。
稜線上では誰にも出会わなかった。地蔵尾根から登ってきた人だ。
前の先輩にならってお地蔵さんに手を合わせる。赤岳天望荘にて休憩。外の風がウソのよう。
本日の核心部はやり終えたので緊張からも開放される。
          
また仕度を整えて外にでる。
見送ってくれた小屋番さんが、「ここからは
?」の質問に赤岳登頂後、文三郎道を下降と説明すると、
文三郎道から行者小屋の下りに
2時間はかかるとのこと。予定では1時間でみていたので、タイムオーバーの心配がでてきた。
テントの帰着が
5時過ぎ。ぎりぎりだ。
安全策をとって赤岳登頂をキャンセルして地蔵尾根を下降しては
?と提案するが、
3人の先輩はそろって「赤岳を登らんと意味ない」と強気だ。
私としては、展望もないし、「主稜線の縦走のおまけ」ぐらいの気持ちだったが、
どうも八ヶ岳にあって主峰赤岳はクライマックスでメインなのだ。仕方ない。
「頑固な年寄り・・・」とひそかに悪態をつきつつ後ろに続く。
本当ならば、主峰らしい凛々しい山容に心浮き立たせながらの登りなのだろうが、
目の前にはうすぼんやりと山肌が見えているだけ。自分達がでっかい三角おにぎりにとりついた蟻のように思えてくる。
ゆっくりの歩調だが
40分も蟻になっているとやがて頂上山荘の直下まで登りつめた。
市橋さんがトップを譲ってくれ、そして山頂に立った。はじめての南八ヶ岳主峰、先輩達のおかげで登頂できました。
                
赤岳頂上
                          
赤岳頂上よりバック天望は阿弥陀岳                          行者小屋へ下山到着                         
下山にかかる。
予定通り、文三郎道を下降。下を見下ろして「うわっ・・」と盛り上がった気分が萎えてしまった。
なんというか、「悪相」なのだ。岩と雪と氷。「地獄への階段」といった印象で、絶対スリップは許されない。
アイゼンが良く効くので良いが、引っ掛けてこけるとか全然ダメ。鎖を手すりに慎重にくだる。
凍った潅木が見えるころ、ガスが動き、振り返ると岩峰が迫力の姿で私達を見下ろしていた。
眼下には、樹林の中の行者小屋がまるで天国のような穏やかさで待っていてくれる。
行者小屋には予定通り
1時間で降りてくることができた。中山乗越を経由して赤岳鉱泉に16時に到着。
ビールを一本多めに調達し、我がテントに無事帰着した。

1/2(日曜日) 晴

 赤岳鉱泉(7:30)~美濃戸口(10:00)~もみの湯(10:4512:00)~小淵沢道の駅~小淵沢IC小月IC(1/3 2:50)


赤岳鉱泉に別れを告げ・・・パチリ!

 冬山合宿最終日。
テントを撤収し下山。今日から天気は回復模様のため、後ろ髪惹かれる思いだが予定通り下関に向けて帰る。
昨日の夕方のラジオでは、奥大山のスキー場の雪崩事故を伝えていた。
西日本の積雪状況や道路状況も心配なので余裕をもって帰ることにする。 
美濃戸山荘に立寄り休憩。阿弥陀岳が見送りをしてくれている。
山荘の方のお話だと今年のお正月は登山者が若干多いとのこと。「山と渓谷 
12月号」の特集の影響かな。
今回あの景観は望めなかったけど、また来よう、また来たいと思った。
「来月でもいいです。」と冗談に本気をまぜて言ってみると、市橋さんは賛成しながらあきれた様子だった。
八ヶ岳がせめて隣の県くらいにあってくれたらなと強く思う。

 駐車場のレンタカーに積もった10㎝の新雪をどけて、出発。とりあえず近くの温泉「もみの湯」にて汗を流す。
ちょうど昼時だったので、昼食もとることにし、信州そばを食す。
信州蕎麦うまし
!! 満足する。(デザートは宮元さんの桜島小みかん。
車の中で冷凍みかんになっていた・・これも美味
!!)  帰路は富士見高原経由小淵沢IC側の道の駅に立寄ることにする。
富士見高原へはその名のとおり、進行方向正面にどっかり
(ふんわり?)と富士山を見ることができた。
昨日の山行は景気に恵まれなかった。山からのお年玉だなと思う。

帰路高速道路トラブルもなく、無事下関へ帰着。
高速の上限
1000円割引に加え、レンタカーが「プリウス」とあって燃料代も安くあがったのは、とってもうれしかった。

記録感想
 冬の八ヶ岳縦走。天気や条件次第だと思うが、稜線上の営業小屋の存在はとても大きいと思う。
年末年始の登山者のために小屋あけしているが、本当に心強い。
同じくらいうちの会のベテランも心強い。経験に勝るものはなし。脱帽です。
おかげでよい年のスタートとなりました。ありがとうございました。
(記録 水廣)