平成28年8月 夏山合宿同行 個人山行《北アルプス~槍ヶ岳・北穂高岳》 |
入山日程 山域:長野県 槍ヶ岳・北穂高岳・涸沢岳・奥穂高岳 日程:平成28年8月10日(水)18時30分下関 K2出発 ~8月15(月)14時30分帰着 テーマ:チャレンジ 大キレット ・参加者:播磨 ・同行者:夏山合宿メンバー 宮元・市橋・羽田野 個人山行2名 森永ご夫妻 |
<行程概要> |
8月10日(水)快晴 18:30 下関 K2~下関IC~山陽道~名神~中央道~松本IC~ 8月11日(木)快晴 9:10沢渡第2駐車場~乗り合いタクシー~9:45 上高地バスターミナル 10:10…13:30横尾14:00キャンプ場受付・テント設営 16:09分岐…16:33槍見台…16:55横尾 |
8月12日(金)晴・午後霧 3:30起床・朝食・準備・テント撤収~5:00出発…6:13槍沢ロッジ…6:38槍沢キャンプ場… |
8月13日(土)晴・時々霧 3:45起床5:00出発…7:03A沢のコル…7:29飛騨泣き通過…8:05北穂高山荘…8:25北穂高岳…北穂高山荘9:16…10:55涸沢岳…11:13穂高岳山荘…11:52奥穂高岳…12:22穂高岳山荘13:32…13:45涸沢山荘…16:10横尾 |
8月14日(日)晴 5:02起床・朝食・撤収6:54出発…8:01徳沢キャンプ場…8:14明神分岐…8:58明神橋…9:43河原でテント干し…10:43河童橋…12:05ウェンストン碑…上高地温泉ホテル絵画展鑑賞12:20…12:28田代橋… 12:48上高地バスターミナル…乗り合いタクシー~沢渡第2駐車場~沢渡温泉~ 16:40あさひプライム野俣林間キャンプ場 |
8月15日(月)くもり一時雨時々晴れ 2:00起床・撤収2:45出発~塩尻IC~下関IC~14:30下関K2着 |
<記録> |
プロローグ:「大キレット」地図には「大切戸」とも。博多弁なら「おお、切れと~」か? 北アルプスの槍ヶ岳から穂高連峰への大キレットという難所を越えるルートは、 6月に戸ノ上山~足立山を10㎏の水を入れたザックで三回ボッカした結果、 |
8月10日 八月の午後六時はまだ日が高い。 |
8月11日 この日は今年から施行された「山の日」、上高地では記念のイベントが行われるという。 |
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記念式典の来賓は皇太子ご夫妻、松本空港からヘリコプターで来場されたそうだ。 ちょうど皇太子のスピーチが始まるところで、モニターテレビの前に人がたくさん集まっていた。 スピーチが終わるのを待って出発したのは10時ちょっと過ぎ、 ほぼフラットな道を、上高地の風景を楽しみながら歩いた。 軽装の観光客と大きなザックの登山者が入り混じって、挨拶したものか迷う感じだった。 |
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先頭を行く市橋さんのスピードは速く、徳沢で軽く食事をとった以外はほぼノンストップで、 |
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槍沢キャンプ場まで進む本隊3名を見送り、キャンプ場の受付で手続きをした。 テント場は、北側と南側二つのエリアがあり、双方見てみて、北側の通路近くに決めた。 宮元さんにお借りした一人用テントを設営していると、森永さんが通りかかり声をかけてくださった。 |
目を覚ますと、午後4時。 |
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写真を撮って横尾に戻ると、午後5時。 |
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8月12日 3時半起床。湯を沸かして、昨夜の残りのアルファ米混ぜご飯と味噌汁、お茶、コーヒー等の朝食をとった。 |
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人少なくフラットな森の道を歩くのは気分がよい。 目をあげれば岩と岩山とその向こうに高い青空、アルプスらしい景色だ。 |
![]() 播隆窟 |
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9時40分、槍ヶ岳山荘到着。 |
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最後の長いはしご、二段を登って山頂到着、順番待ちに並んで写真撮影。 |
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午後は少しガスがかかり出して、少々不安になって急いだが、予定より早く14時過ぎに南岳山荘に到着した。 |
大キレットを眺めてみて無理そうだったら降りようと思っていたが、あいにくのガスで全く見えない。 土間のテーブルが自炊スペースで、そこ以外は火の使用禁止である。 |
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夕食はテント泊の本隊のところでおじゃまして、前日と同様アルファ米ご飯、レトルトスープ(この日はかぼちゃ)、 小屋の窓から月が見えたので外に出てみた。 執念深く待っていると、時折ガスが切れて目指す北穂高岳が見えた。 |
8月13日 3時45分起床。準備をして、朝食をとった。 天気は晴れ、風もなく、体調もよい。 |
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本隊についていこうとしていたところ、市橋さんから「せっかく個人山行なのだから、 一人で行けるところまでいってみたら」と背中を押してもらい、そうすることにした。 いざとなったら、後ろに味方がいる。 というか、ひとりで冒険に出る子を保護者が見守っているような、まるで「はじめてのおつかい」である。 |
南岳からの下りに入ると、がれた急斜面でさっそく手強い。 キレットに入っていたらしい。 長谷川ピークはけっこう不意打ちだった。 前を行く女の子は、「えー、こんなとこいやや~。落ちたら死ぬやん」とか言いながらも 足の置き場を指示するお父さんにしたがって難所を越えていく。 「ほんと、落ちたら死ぬやん」と共感しながらなんとか通過。 |
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ファミリーが休憩をとったので、先に行くことにした。 前に人がいないと不安ではあったが、岩にペンキの○×指示がしっかりあり、 気をつけていれば道を誤る心配はない。 |
一番恐れていた「飛騨泣き」は、太い鎖としっかりした金具の足場があり泣かずにすんだ。 ただ、足元手元を見るのに必死で、「すぱっと切れた」眼下の景色は見ていない。 |
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北穂高の急な登りを登って登って登って、出発から約3時間後、山荘に到着した。 |
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聞きしにたがわず、北穂高山荘からの眺めは最高だった。 涸沢への分岐で、向こうからくる方に「涸沢岳の危険箇所ってどんな感じですか」と聞いたところ、 はしごとか鎖とかがあるが(北穂高から奥穂高だと)登りになるので逆方向よりいいかも、とのこと。 登り基調ならOKだ。 |
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穂高岳山荘についたのは11時過ぎ。 |
奥穂高も岩、また岩の山だった。 登りはじめが急で、いきなりはしごの二段構え、両手両足を使っての登りが続くがしだいに傾斜がゆるくなり、 山頂の祠に出た。すっかりガスがかかって展望もないので、写真を撮ってすぐに引き返した。 |
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![]() 穂高山荘 |
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穂高岳山荘前はにぎわっており、昼食のカレーライスがおいしそうだったが 岩畳の道をひたすらくだるので、足がつらい。 広々とした眺めは素晴らしく、イワギキョウ、チシマギキョウなどの花やチングルマの綿毛も楽しませてくれるが、 時間がおしているのでゆっくり眺める余裕もない。 |
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涸沢についたのは午後2時頃、涸沢ヒュッテで水を補給し、一気に500ml飲んでしまた。 さいわい、入り口さえわかればあとは迷うところもなかった。 |
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次第に周りが樹林帯となり、何だかほっとして 晩御飯のことなど考えだしたところ、つまずいて大きく4、5歩ほどよろめいた。 何とか踏みとどまったけれど、転んだら大けがもしかねない。 難所よりも難所を過ぎてからの方が危ないとは常々聞くし、 自戒していたのだけれどそれでも、と緊張感を維持することの難しさを感じた。 |
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午後4時5分、ようやく横尾に到着、まずテントの場所取りをする。 この夜、寝袋に入って目を閉じると、岩につけられたペンキの○や×が目の裏に映り、 |
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8月14日 5時起床。朝食、片づけ、テントを撤収して、7時少し前に出発。 今度は今から山に入る人がうらやましい。 |
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景色や花を眺めたり、 |
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ザックを降ろしてぼーっとしたり、 |
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サルを見たり、河原でテントを干したり、 |
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上高地温泉ホテルで「山岳画十人展」を鑑賞したり、公園で昼食をとったり。 寄り道寄り道しながら上高地バスターミナルについたのは12時48分。横尾を出てから6時間近くもかかっていた。 |
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エピローグ:皆さま、ありがとうございました。 |