平成29年度 正月合宿 北岳 池山吊尾根

 

・南アルプス「北岳」3,193m(奈良田⇔あるき沢橋⇔池山吊尾根⇔ボーコン沢の頭⇔八本歯のコル⇔北岳) 

・平成29年12月29日-平成30年1月3日早朝(5日間と少し)

・参加者:3名 藤田優(CL)・水廣(SL・会計・食料)・羽田野(装備・記録)

・交通手段:プリウスレンタカー(冬仕様)・(往復約1800km)

小月IC-草津JCT-伊勢湾岸-新東名-新清水IC-奈良田温泉(トイレ)-開運隧道P 
 

------------------------- 山 行 記 録 -----------------------

 12/29晴れ 車移動 目的:奈良田第一発電所前 駐車場テント泊
     800)小月ホンダ 渋滞なく新清水ICから北へ
     2130) 奈良田第一発電所前「開運隧道」駐車場にてテント泊(トイレ・水無)
           15台程度の駐車場だが、わずかな空きがあり、車の前にテントを張った。
           積雪無し。農鳥岳への登山口でもある。
 12/30晴れ 【行程720】目的:第一キャンプ池山御池小屋の先
     700)開運隧道-12kの林道徒歩開始4時間想定
     800)驚きのピックアップトラック(830)あるき沢橋着
     840)激登り開始-(1300)池山御池小屋 
     1420)池山小屋と城峰の中間樹林にてキャンプ設営(約2,200m)「テン泊」
      間ノ岳・農鳥岳が良く見える地点。途中鳳凰三山も良く見えた。(夜は風が強い)
 ------------------- 山行詳細 -----------------
 ■山行初日12/30
   開運隧道からは、青空をバックに雪化粧の白峰南陵の山並みが見え、気持ちが高まる。
   ここで登山届を投函し、まずは鉄柵を突破。(空荷で横から乗り越え、内側から小扉を開ける)
   12km(4時間想定)の林道歩きだ。トンネル内は暗く、天井からツララが伸びている。
   道中の積雪を予想してワカンを持ってきたが、無積雪だった。一部凍結していた。
   所々に滝が現れ、激しく凍っている。ゴルジュと氷の滝の景観が楽しめる。
   一時間程歩くと、突然後ろからホロ付のトラックが現れ、「あるき沢まで乗せていってあげる」
   と工事現場のおっちゃん風とその子分らしき人が、親切に声をかけてくれた。
   幌の中には既におねーさん二人組が乗っていた。
   長い道のりで気合を入れていたが、なぜだか今はすっ飛んでいく景色を眺めている。
   出鼻をくじかれたような、でも得したような、複雑な気分でゴトゴト揺られていた。
   途中停まって「ここから間ノ岳が見えるよ。明日は吹雪くから見納めかも知れんからな」と、
   みんなで降りて真っ白な間ノ岳を眺めた。
   現場のおっちゃん風は更に親切で、妙に山に詳しい。
   30分程であるき沢橋着。積雪なし。下山パーティと入山者で賑やかだ。
   現場のおっちゃん風は「わしらはここで引き返すが、ボーコン沢と八本歯は気をつけるように。
   そして、明日は吹雪くから、決して無理をしないように。
  登山届箱はここにはないから、わしが預かって出してあげる」と、更に輪をかけて親切だ。
  そして名乗らず颯爽と去っていった。

   下山パーティが騒いでいる。どうやら現場のおっちゃん風は「農鳥小屋の主人」であり、
   かなりの有名人らしい。今度来るときは、農鳥小屋に行こうと心に決めた。
   進む者、帰る者が去って静かになったところで、いざ入山。(840
   雲のない清々しい朝で、小鳥もさえずって、これから吹雪くようには思えなかった。
   あるき沢橋からは、急登が続く。気持ちの良いブナ林で、落ち葉を踏みながらジグザグと登る。
   同乗していたおねーさん二人組は熟練者のようで、すこぶる歩きが早く先に行ってしまった。
   一時間程すすんだところでアイゼンを装着。
   
奈良田第一発電所前「開運隧道」駐車場
     
ホロ付きトラックの荷台より           あるき沢登山口着
  1140)急登終了地点。3時間の激登りだった。
   ここから西へ進み小さな道標のある「池山2,064m」。積雪は5cm程度。
   すぐに樹林越しに真っ白の「池山御池」が見えて来た。
  池山御池小屋は二重扉になっていて
土間にはテントがひと張り。
  ワカンが
10人分くらいデポしていた。
   もう少し先に進み、第一キャンプ地とした。しし焼肉の宴。夜は吹雪いていた。
   
                 第一キャンプ地とした
 12/31晴れ-吹雪 【行程450+偵察230】目的:森林限界でのベースキャンプと上部偵察
   700)テントを撤収して出発(816)城峰2,372m 
   11502,630m地点(砂払手前300m)にてBC設営。上部偵察後BC泊。夜中まで吹雪
 ■山行2日目12/31
    500起き700出発 
    ダケカンバとシラビソの樹が白く凍りつき、朝陽を浴びて輝いていた。
    今日は、森林限界付近でのベースキャンプ地探しと、上部偵察だ。
    鳳凰三山のオベリスクが良く見える。
    いくつかのテントとツエルトひと張りを横目に更に進む。
   1130  2,630mの樹林にてBCを設営した。(砂払手前300m)
    翌朝暗いうちまでの上部ルートを偵察に行く。
    風が強く、ゴーグルと目出し帽を装着した。
    100m先、吹きさらしのコブにテントが二張り。
    昨日の「おねーさん二人組」と、夜叉神からきた「爽やかお兄さん」だ。
    アタックしたけど、吹雪いてきたので八本歯から引き返してきたとの事。
    テントは引綱とシュリンゲのミックスでしっかりと木に結ばれており、感心した。
    砂払2,730mが森林限界だ。ボーコン沢の頭が見えたが、
    かなり吹雪いてきて、どんどん険しい景色になってきた。
    風が避けられるところで休憩し、引き返す。
    時間があるので、ゆっくりと水づくりをするが、EPではやはり寒い。
    きのこワンタンスープ、旨かったです。
    明日の天気予報では穏やかになりそうだ。
    700就寝 暴風。昼は南風だったが、北風に変わった。
    風が轟々とテントを殴りつける。頭が押される。
    バラバラと固い雪の音を聴きながら過ごした、大晦日の夜だった。
 1/1晴れと暴風 【行程 登り420・下り320】目的:北岳アタック
   630)風治まるも凍てつく朝、出発(650)砂払にて、初日の出 
   710)ボーコン沢ノ頭2,800m(北岳バットレス・間・農・鳳凰・甲斐駒・八ヶ岳!)
   830)八本歯の頭(855)八本歯のコル(1010)池山吊尾根分岐(暴風40m程度か)          (1050)【北岳山頂】3,193m 寒さと強風ですぐに引き返す 1410BC着 そのままテン泊 
  ■山行3日目1/1
    500起き630出発
    天気も緩んで、穏やかなお正月の朝。
   お雑煮を食べて外に出ると、紫とオレンジリングの光の中
富士山のシルエットが裾野まで浮かび
   上がっている。
間ノ岳・農鳥岳は雲もなく素晴らしい景観だ。
 
初日の出のご来光
      650 砂払 初日の出のご来光。富士山の左肩 絵になりすぎだ。
    朝陽を背に受けながら緩やかに池山吊尾根を進む。
    710 ボーコン沢の頭 ようやく雪の北岳とご対面。
    ゆるやかで広く北東へ別の尾根が伸びており、ガスったら迷いやすそうだ。
    富士山・鳳凰三山・甲斐駒・遠くに八ヶ岳・間ノ岳・笊ヶ岳、そして北岳。
    全部くっきりと見えて気分がいい。青空の下、一面真っ白な世界を進む。
 
                                ボーコン沢の頭 ようやく雪の北岳とご対面

北岳 バットレス
 
北岳全容
     828 八本歯の頭 
    トラロープがあるも5m程の急降下だ。ロープを出す。
    ここからは、岩が突出し急峻な登り下りが続くがロープは不要。
     
八本歯のコル木階段は一部露出
      855 八本歯のコル 
    木階段は一部露出しており安心して登ることが出来る。
    だんだんと風が強くなり、クルクルと雪を巻き上げている。
    岩が露出してきた。雪庇はまだ若い。
     
池山吊尾根分岐                 西斜面は凍てついた険しい景色に一変
      1010 池山吊尾根分岐
    鞍部の為、西風が集中しておりゴウゴウと台風のようだ。
    見上げると、向こう斜面から30cm角の平たい雪が、びゅんびゅん飛んでくる。
    鞍部に出ると、わずか一歩が進めない。カメラを持つ手にも力がはいる。
    片足になった瞬間なぎ倒される。10m先のおじさんは、岩にへばりついて動けないでいる。
    三点支持でゆっくりと進むと、鞍部を過ぎたあたりで風は少しだけ弱まってきた。
    しかし西斜面は凍てついた険しい景色に一変しており、手もジンジンと痛くなってきた。
    体感温度は-15℃から-20℃か。
    リーダーより「風が強い時はメンバーが離れないように」と注意を受ける。
    ひとり飛んで、ふたり飛んで、と想像すると怖くなってきた・・・ 
    真っ白な西斜面をトラバースすると山頂はあと少し。
   
   1040 北岳山頂3,193m あたりは誰もいない。ベンチがぽつんと寂しそうだ。
    ガスと風と寒さの為、記念撮影をして一分程で引き上げた。   
 
     次第に風もおさまり、北岳山荘がくっきりと見える。
    下山は天候も穏やかで、何度も北岳を振り返りながら下った。 1410 BC
  
 1/2晴れ 【行程900】目的:下山と温泉
   440)テント撤収して出発(630)池山御池 朝陽を浴びながら下山
   905)あるき沢橋着(92012k林道開始(948)野呂川隧道(夜叉神峠からの登山口)
    歩く、歩く、歩く。(林道歩きは420!)1K毎に標識があるのでわかりやすい。
   1340)開運隧道P着 山行終了。奈良田温泉は1/2まで休業、西山温泉は立ち寄り不可。
    結局、第三候補の町営の西山農園温泉♨  ぬる湯なので長時間向けだ。休憩しながら帰路へ
  ■山行4日目1/2
    300起き440出発
    暗闇の中、ヘッドランプの灯りに動物達の足跡が浮かぶ。すぐ先にいそうで楽しい。
    池山御池を過ぎたあたりでご来光を迎えた。レーザービームのように、みんなの顔を差し込む。
 
    こつこつと歩いた12kmの林道歩きは、忘れられない想い出だ。
    最後の開運隧道は、真っ暗な先にゴールの明かりだけが見えて、宇宙を歩いているようだった。
 1/3晴れ 目的:帰関  ほとんど渋滞なし (早朝400)小月ホンダ解散
参考資料
 共同装備
   *冬用3人テントGT-2*ツエルト*コッフェル2揃*EPヘッド1EPガス2
  *ホエーブスNO.4(燃料満タン)*Wガソリン1本0.9L0.3L余)*ビーコン3
   *ロープ18mx2本*テントマット2枚*鍋敷きセット*竹ペグ12*たわし
   *プラスコップ1+車用金スコップ1
   ※改善点:竹ペグは樹林泊の場合、いくつかは木に結ぶ為、7本程度で済んだ。
   ※改善点2GT-2 ポールが折れました。経年劣化も激しく、買い替えが必要。
   ※改善点3 しし肉を切るのはナイフでなく、はさみが有効だ
 個人装備 
  *アイゼン・ピッケル・ワカン・ゴーグル・目出帽・カラビナ、シュリンゲ5 ヘルメット他一式
  ※改善点:高度が増すと水筒は凍って使えない。アタックの日はテルモスだけで良かった。
    暴風の為ゴーグルと目出し帽が効果的だった。
    寒さの中、行動食は準備の半分も消費していない。
    テント時間が長い為、焼酎300mlは少なかった。
 食料
   30日朝 肉うどん
   30日夜 しし焼肉、味噌汁(フリーズ)、酢の物、ごはん
   31日朝 卵雑炊、しし焼肉の残り、漬物
   31日夜 きのこたっぷりワンタンスープ(旨し!)、つるしベーコン、おせち、ごはん
   01日朝 お雑煮、つるしベーコン、きのこスープの残り
    01日夜 カレー(フリーズ)、ごはん、つるしベーコン
   02日朝 親子丼(フリーズ)
   ※改善点:夜の焼きモノはテント内が若干寒く、煮込み系は長時間暖かいことがわかった。
   ※ビニール・ヤカン・サラシ・プラティパスは水作りに必須。ヤカン以外は個人で揃えた。
   ※山での一日目に水廣さんがすっとビールを出してくれ、嬉しくて泣きそうでした。
     重たいのに本当にありがとうございました。
     行程と重量バランスの組み立て方が勉強になりました。(先に重たいもの。後に軽いもの)